コンサルティング事例:SAP ERPを活用したDX基盤構想策定支援

ユニマテック様社屋
ユニマテック/島田部長と 当社代表/相馬
ユニマテック株式会社様における「データドリブン経営」実現に向けたERP構想策定
この事例では、老朽化した基幹システムとデータ分断の課題を抱えていたユニマテック株式会社様に対し、SAP社のERPパッケージをベースとしたDX基盤の構想策定を支援しました。データの「見える化」を通じて、経営判断の迅速化と継続的な利益創出に貢献するための仕組みづくりを行いました。
お客様の課題:データ分断による経営情報「見せる化」の限界
ユニマテック株式会社様は、レガシーシステムを中心とした基幹業務システムを運用されていましたが、業務ごとにデータが分断されており、月末の集計作業に多大な時間を要していました。この状況が、以下のような経営課題を引き起こしていました。
- 経営判断に必要な情報の遅延と不確実性: リアルタイムでの正確な経営状況の把握が困難で、迅速な意思決定を阻害していました。
- 業務改善の停滞と組織全体の最適化の困難さ: 各部署のデータが連携しないため、横断的な業務課題の特定や改善策の実行が難しい状況でした。
- 属人化による非効率な運用: 特に在庫管理など、重要な業務プロセスが個人のスキルや経験に依存し、非効率かつリスクの高い運用になっていました。
これらの課題を解決し、「見える化の幅・質・スピードを高め、経営判断を迅速に行えるような仕組みづくりをすることで、利益を出す仕組みを継続的に構築し、会社と従業員の成長に繋げること」を最大の方針として掲げ、“データドリブン経営”を目的としたDX基盤の導入を決意されました。
アルベナの支援内容:SAP社のパッケージを活用した構想策定を実施
アルベナは、ユニマテック株式会社様の「データドリブン経営」実現に向け、SAP社のERPパッケージをベースとした構想策定プロジェクトを実施しました。お客様との密な対話を通じて、「SAPで何ができるか?」「どのような業務を変えていくべきか?」を深掘りし、あるべき姿(To-Be)と具体的なロードマップを整理していきました。
具体的な支援内容は以下の通りです。
- 現状(As-Is)の業務・システム分析と課題抽出:
- 経営層向けにはSWOT分析を実施し、経営視点でのハイレベルな課題を特定しました。
- 各業務部門の責任者や担当者への詳細なヒアリングを通じて、管理視点と現場オペレーション視点双方の課題を明確化しました。
図1 As-Is分析
- SAPの標準機能を活用したTo-Beプロセス設計:
- SAP社のERPパッケージの標準シナリオをベースに、現状の業務と情報のギャップを抽出しました。
- ユニマテック株式会社様との議論を重ね、業務の標準化に向けて策定すべき業務ルール、そしてあるべき業務プロセス(To-Be)を具体化しました。
- 特に、属人化していた販売計画から生産計画、原料所要量展開までの在庫管理プロセスを、SAPの標準機能を活用してシームレスに連携させることで、業務改革の方向性を具体化しました。
図2 ERP流在庫管理
- SAP導入後に目指すべき経営・業務の方向性の整理
- SAPベンダー選定支援、およびRFP(提案依頼書)の作成
このように、ユニマテック株式会社様の深い理解と協力のもと、短期間でAs-Is分析とTo-Be策定を集中的に実施することで、ERPをベースとしたDX構想の方向性を明確に合わせることができました。
成果:業務改革を伴う「見える化」された情報システム基盤へのロードマップ
構想策定プロジェクトを通じて、ユニマテック株式会社様は従来の“見せる化”(データがあるだけ)から、真の“見える化”(データが活用できる)へとつながる情報システム基盤への理解を深められました。DX基盤であるSAP導入に向けた具体的なロードマップを描き、以下の重要な成果に合意できました。
- 「Fit to Standard」による業務プロセスの標準化合意: 属人化された業務プロセスをSAPの標準機能に合わせて改革していく方針をプロジェクト全体で合意しました。これは単なるシステム導入に留まらない、真の業務改革を推進する重要な一歩となります。
- 業務改革視点からのSAP導入全体像の明確化: システムリプレースだけでなく、業務の抜本的な改善と効率化を目指すSAP導入の全体像を明確に構想できました。
- 具体的な導入フェーズへのスムーズな移行: 今回の構想策定の結果をベースに、ユニマテック株式会社様は現在、具体的なSAP導入フェーズへとスムーズに進んでいます。
まとめ
アルベナは、お客様の深い課題を理解し、単なるシステム導入に終わらない、真の「データドリブン経営」を実現するためのDX基盤構想策定を強力に支援します。SAP ERPの導入をご検討の際は、ぜひ弊社にご相談ください。
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ユニマテックDX推進部
部長 島田様
■ユニマテック株式会社 DX推進部 部長 島田 直樹様より
当時(2022年頃)、弊社が置かれている状況として、この先DXを推進していくためのデータ基盤が整っていない事がグローバル視点も含めた経営課題でした。
アルベナ社による当プロジェクトは、先ず弊社経営陣へのSAPを例としたERP理解の為のワークショップから始まりました。Face to Face での会話を重視される一貫したプロジェクト進行スタイルは、「真に寄り添っていただいている」という熱量を感じると共に、大きな信頼と安心感をもたらしました。他にもSAP実機デモを織り交ぜたワークショップも効果的でした。
その結果、弊社が今後目指すべきグランドデザインを描けたことは、期待以上の成果物となりました。
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